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#4.鍼灸が素敵なものだと知ってもらいたい


若手鍼灸師の活躍をクローズアップする「レボLABO!」 第四弾は、クルーズで鍼灸師として活躍した後、映像という手段を用いて鍼灸の啓蒙活動をしている 安部深穂さんにお話を伺いました!

Q1.なぜ鍼灸師という仕事を選びましたか?

子供の時からずっと英語を使って仕事がしたいと思っていました。大学は英文科でしたが、一般企業に就職することには魅力を感じていませんでした。お洒落な仕事がしたくて、アロマやマッサージなどを考えていましたが、当時は鍼灸の存在すら知りませんでした。マッサージの国家資格と同時に取得できるという点で鍼灸の資格も取ろうと決めました。食いっぱぐれがなく、英語が使えて、なおかつ日本的なものというのも決め手になりました。

Q2.なぜクルーズでの鍼灸師という仕事を選びましたか?

英語が使えて、外国人に日本の文化を伝えられる仕事だと思いはじめました。卒業して何年かは勤めたり、鍼灸養成校の助手や、フリーで鍼灸師をしたりしていました。友達の紹介もあり、面接を受けてクルーズに乗ることとなりました。

Q3.クルーズでは具体的にどんなことをしていたのですか?

クルーズでの鍼灸は、スパのメニューの一環として取り入れられています。船の最上階の先端にある5つ星スパで、ジム、スタジオ、ヘアーとネイルサロン、マッサージ、エステ、そして鍼灸があり、様々なセラピストと一緒にビジネスを展開していました。

船ではツアーの初日にスパの内覧会がありました。ダンサーやミュージシャンにモデルになってもらい、治療効果とリラックス感を宣伝します。出航後、航海の間にも、スパのトリートメントの抽選パーティーや船内のテレビ、クルーズ新聞など、様々なところで鍼灸の宣伝をします。船内でのイベントとして鍼灸のセミナーも実施しました。セミナールームや、シアターのステージ、バー、カフェ、フィットネススタジオ、ポーカールームなど、イベントブッキングマネージャーと相談して他の大きなイベントとなるべくかぶらないようにセッティングしてもらい、プロジェクターなどを使用してイベントを行いました。「健康のツボ」「腰痛」「若返り鍼灸」など色々あり、予約状況によって随時足していきますが、セミナーに来た人にその場で予約してもらい、パッケージを組んで行くというのが私の主な集客方法でした。

鍼灸ってうけてみたいけどちょっと怖い、どういう人がやっているか知りたい、自分の病気に効果があるか、そもそも何に効くのか?日本でもかなり多くの人がそういう疑問を持っていると思います。セミナーでは、まずは私のことを好きになってもらってもらい、そして、はりがその人達が抱えているどの症状に効くのか、どのような治療をするのかを伝えました。「この症状に効果があるならこの人に今日すぐ見てもらいたいな」と思ってもらえるようトークしました。クルーズって1・2週間で、もう二度と会えないので、「今やらなきゃ!!」という気持ちで予約してもらうようにしていました。お陰で、人前で話をすることがすごく得意になりましたよ。

Q4.クルーズでの鍼灸はどうでしたか?

日本人のはりはものすごく繊細なので、気持ちが良いと大変に喜ばれました。トークを頑張ったお陰でいろんな患者さんを見ることができました。ジョンズホプキンス大学の研究者、放射線治療の後遺症でしびれがでている方、イラク出兵以来トラウマに苦しんでいる軍関係の方、線維筋痛症で24時間痛みに苦しんでいる方、腰痛で車いすから動けなかった方など、どの患者さんもこちらがびっくりするほどよくなりました。腰痛の方は、一週間の治療でなんと車いすが完全に不要になり、日帰りツアーもしっかりと歩いて参加できるようになりました。クルーズディレクターにそれを話してくれたので、次のツアーからメインステージのイベントに呼んでもらって紹介してもらえるようになりました。

鍼灸師は、私が乗船していたクルーズでは階級が高く、みんなに尊敬される仕事でした。それで鍼灸師であることに誇りが持てました。階級によって、食堂が違ったり、乗客エリアに出入りがみとめられていなかったりするのですが、鍼灸師は各部署の店長、部長と同じクラスだったので、個室をあたえられて、待遇も乗客とほぼ同じでした。ドレスアップして豪華なごちそうを食べられたり、イベントやショーを見に行ったりバーでカクテルを飲むことも出来て、寄港先では観光も出来とても充実していました。

しかし、クルーズはツアーなので、ツアーが終わると乗客が総入れ替えになります。頑張って予約を入れたのに、最終日になると次の週の予約表は真っ白になってしまいますし、完全歩合制なのでそれが不安できつかったですね。

夫のニックはクルーズで出会ったのですが、ピアニストで若くてかっこよかったから(笑)、内覧会でモデルになってもらいました。それで刺した針がなぜか腰痛に効いてしまって、好きな音楽の話とかしていて仲良くなりました。

Q5.今はどのようなことをされてるんですか?

結婚したのをきっかけに帰国しました。夫のニックはミュージシャンの他に映像制作、音楽制作、サウンドエンジニアも仕事にしているので、帰国後は二人で仕事を始め、今は鍼灸の他に翻訳と映像制作もしています。鍼灸関連ではHPの翻訳チェックや、発表原稿の翻訳など。治療院のPRもしています。お灸の動画配信は、自分の患者さんに上手にお灸を据えて欲しくて始めました。治療の間に自宅でお灸をしてもらうと、効果が全然違いますね。まだ来ていないお客さんに治療の紹介という意味もあります。それから、お灸教室に来たお客さんの復習用と。意外と鍼灸師からも反響がありましたね。

制作で一番大事にしている点は、見た人に「やってみたい!」と思ってもらえるような雰囲気づくりです。鍼灸って「痛そう、熱そう、怪しい」のようなネガティブなイメージを持たれているので、なんか気持ちよさそう、居心地良さそう、効きそうだからここに行ってみようと思ってもらえるように、色味、画質、サウンド、すべてのクオリティにこだわっています。勉強会や治療院のPRなどの問い合わせもいただいていますが、本当にイメージって大事なので、画像、映像に投資することは大事だと考えています。

Q8.今後のビジョンは?

鍼灸のイメージを変えていきたいです。治療家にも一般の人にも、もっと鍼灸を素敵なものだと思ってもらいたいです。もっと尊敬されて、社会的にも認められる存在になって行きたいので、私達は映像でそれをやっていこうと思っています。

Q9.学生に向けて

鍼灸がもっと社会に受け入れられるようになるには、これからの鍼灸師がしっかり治療ができることだけでなく、世の中の変化に対応出来ることが重要だと思っています。ダーウィンも言っているように、一番強い物が生き残るのではなくて、変化にうまく対応していける生き物は絶滅しません。どの流派がとかあまり関係なく、鍼灸の良さを一緒に世界に発信していけるような人たちと仕事をしていけたらうれしいです。

《プロフィール》 Acumiho (安部深穂) 鍼灸師、あんま指圧マッサージ師、翻訳家、通訳。新医協鍼灸臨床講座講師。

お灸ワークショップを開催したり、YouTube、FB、instagramのAcumihoチャンネルでお灸とはりの良さを伝える活動をしている。東洋鍼灸専門学校実技講師助手を勤め、豪華客船クルーズのスパにて鍼師として働いた後、帰国。ハリウッド映画やNBCなどのテレビ番組の東京ロケに参加したのち、夫のニックと一緒に翻訳、通訳、映像/音楽制作のHakubishin Produnctionsを始める。

高校生でウィスコンシン州に語学留学

武蔵大学欧米文化学科専攻

日本鍼灸理療専門学校鍼灸本科卒業

《取得免許》

鍼灸師、あん摩マッサージ師免許

Youtube↓

https://www.youtube.com/user/acumiho

※素敵な動画がいっぱいです、是非ご覧ください^^


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